シャーシの研究

     

 MVTシャーシはクラッシュギアシリーズ中、ノーマル、VTに続く第3世代のシャーシとなります。

 MVT/NとMVT/Sシャーシは、VTシャーシ同様、バッテリー位置を変更することで重心移動が可能です。

 しかも、分解せずにバッテリーボックスをスライドすることが可能なうえ、好きな位置で固定することができます。

 このシャーシの最大の特徴はギアボックスの分割方法にあると思います。

 第二世代までのシャーシは上下二分割だったのですが、新シャーシは三分割になりました。

 これにより、モーター交換、ギア交換の作業が別れ、セッティングがスピーディーにおこなえるようになりました。

 また、ギアケース部とモーター部の間に強固な隔壁を持ったことで、ギアケースの剛性は大きく向上したものと

 思われます。

     

 

【MVT/S(左)】

  リアシャフトの位置が、フロントに比べ約2.6ミリ高くなっている。

  そのため、フロントよりも直径が約5ミリ大きいホイールをリアに装着した場合に、シャーシが水平になる。

  従来のシャーシでは、リアに直径の大きなホイールをつけた場合、リアが上がりすぎ、そこが弱点となっていたが、

  このシャーシにより解消される…らしい。

   

【MVT/N(中)】

  VTシャーシの正常進化版。 VTシャーシ用に造ったカスタムウエポンなどは流用しやすいと思われる。

  重量が増えてしまったが、その代わり剛性は大幅にアップしている。

  目的に応じて、強度をコントロールしながら軽量化するのが良いだろう。

   

【MVT/D(右)】

  他の2種に比べ、5ミリ近くバッテリーボックスの位置が低くなっている(低重心)

  この重心の低さを活かして、安定したフットワークが可能となっている…らしい。

  重心移動ができなくなってしまったが、その分大幅に軽量なシャーシに仕上がっているのも良い。

   

  

詳細...

 説明の写真は分割が解りやすくなるように2色のパーツを組み合わせています。 

 実際の製品は同一色です

   

【改善された点】

任意の位置で固定できるようになったスライド機構

(山型のパーツでバッテリーボックスを固定)

  

スイッチ下のプレートが短くなったため、操作性は良好

   

【ギアケース】

 全て同様の構造ですが、 MVT/Dのみ、カバーの付け方が違うため、慣れが必要かもしれません。

  

G2ギヤーを先に乗せてから…

G1ギヤーを取り付け、カバーをかぶせて完成

  

【モーター】

 全て同様の構造。

 MVT/Dのみ、バッテリーボックスが一体型という関係でアッパープレートを下からネジ止めする構造になっています。

  

金属プレート形状が変更され

モーター端子が下に入りにくい形状になった(^_^)

 

モーター取り付けの様子

    

【重心移動の幅】

 MVT/NとMVT/Sは重心移動が可能。

 MVT/DはMVT/Nと比較して、バッテリーボックスは最前より約9ミリ後退した位置に固定されています。

    

ダッシュモード

  

スピンモード

   

【各シャーシの比較】

 重さ(ギヤー、モーター、ハトメ以外のシャーシ構成部品を含む)

  総重量 バッテリーボックス バッテリーボックスふた ギアボックス(電極を含む)
ノーマル 33.0g 12.0g 2.0g 19.0g
VT 36.0g 13.0g 2.5g 20.5g
MVT/N 38.0g 14.0g 2.0g 22.0g
MVT/D 32.0g ギアボックス一体 2.0g 30.0g
MVT/S 39.0g 13.5g 2.0g 23.5g
ZVT 36.0g 12.5g 2.0g 21.5g

   

 寸法

  全高 横幅(シャフト穴部を計測)

長さ(ウエポン取り付け突起を除く)

シャーシ底面からシャフト中心までの厚み

ノーマル 42.6mm 43.7mm 65.0mm 10.5mm
VT 44.1mm 43.8mm 65.0mm 10.5mm
MVT/N 43.8mm 45.0mm 65.5mm 10.8mm
MVT/D 39.0mm 45.0mm 65.5mm 10.8mm
MVT/S 43.8mm 45.0mm 65.5mm

(前輪)10.8mm

(後輪)13.4mm

ZVT 44.0mm 45.0mm 65.0mm

(N)10.5mm

(S)13.0mm

    

 ベアリング取り付け部の穴の深さ

ノーマル 2.0mm
VT 2.0mm
MVT/N・D・S 2.5mm
ZVT 2.7mm

   

 G1ギヤー用短シャフト

ノーマル 8.65mm
VT 8.65mm
MVT/N・D・S 10.2mm
ZVT 10.2mm

    

 バッテリーボックスのスライド量

VT 18mm
MVT/N 15mm
MVT/S 15mm
ZVT 20mm

     

【ベアリングの取り付けについて】

 プラリング取り付け穴の深さは2.5mmと、従来より0.5mmも深くなっています。

 まるでベアリングの装着を意識しているかのような寸法なので、ミニ四駆用のベアリングを付けてみました。

 ギアケース側は専用穴のようにぴったりと収まるのですが、反対側がいけませんでした。

 わずかにシャーシが開いてしまいます。 このまま使えないことは無いのですが、すっきりしませんね。

 

      

【電池との相性について】

 MVT/Dシャーシは、使用する電池に注意が必要です。

 「モーターの取り付けは確認したのに、新品の電池を使っても動かない」と言う場合、電極と電池が接触して

 いない可能性があるので、チェックしてみましょう。

 

【総括】

 なぜか組み立てていてワクワクするシャーシです(^_^) 精度が良くなったからかな?

 VTシャーシ(第二世代)に比べると、各部の接合がしっかりしています。

 力の弱い子供さんには扱いにくくなってしまったようですが、バトル中に開いてしまうなどのトラブルは

 大分減るのではないでしょうか。

 それから、ハイダッシュホイールを付けた時、シャーシの底面が接地してしまうことがあります。

 動きが良くないときには、このあたりに注意してみましょう。